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| 2002年9月10・11日
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青山円形劇場 |
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maki(piano), naoko(soprano),
yasuyo(cello), yuri(marimba, perc.), kominato(尺八), arata(Guitar) |
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桐壺の更衣が光源氏を生んだ晩の夜をイメージ。
世にも稀なる美しさを兼ね備えてしまった光源氏は幸か不幸か? |
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帝の愛を一身に受けたが、身分が低かったこともあり他の女性たちの反感を買い、病を患い、光源氏が幼いころ亡くなってしまう。
母親の限りない愛情と息子を育てることができなかった彼女の無念が音になった。 |
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最初の正妻。まだ光源氏若かりし頃、政略結婚のような形で結婚した相手。
六条御息所の怨霊が彼女に乗り移ったのか、出産後まもなく他界。
短い人生だったこともあり、あまり愛情を表現できる間もなく亡くなった無念と、光源氏の苦悩(藤壺との禁断の恋)を知ったため、逆に深まってしまった愛情を切々としたチェロとソプラノの2重奏で表現。 |
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光源氏が須磨に流され寂しい生活をしていた時に、出会った女性。
正妻であった紫上は自分が都で耐えていた間、光源氏が恋に堕ちたこの明石を許せず、一時的ではあるが、彼女の生き甲斐であった娘まで取り上げてしまった。明石はのちに后の母になるほど地位が高くなるが、やはり自分の身分の低さを感じており、決しておごったり、教養をひけらかしたりはしなかったので控えめな女性というイメージが強いが、意志は強く、また運命の強さも類いまれである。
マリンバというぬくもりのある木の楽器の音で、須磨出身の彼女の素朴さを、光源氏との成就しない愛の絶望感から気持ちが浮遊している感覚をソプラノで表す。 |
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空蝉は、光源氏に対してあまり素直になれない女性であったと思う。
魅力ある男性の行動に、耐えて忍んで待っている態度を露骨に表すことなどできるわけもなく、とかく想いがうまく伝わらなかった。
そういった自分の生き方からの回避と、光源氏に対する失望から、早々と尼になったのかもしれないが、出家後もやはり光源氏への愛情はあった。そんな彼女が尼として、光源氏の元に暮らせるようになったことは、彼女の望んだことなのか?
ピアノのアルペジオが思うようにならない現世に対し感じる空虚さを表す。 |
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それまで絶大だった光源氏の勢力も、時の帝と愛する女性を同じくしたことで、その栄華を手放す事となる。
藤壺との愛を通すことが出来ない葛藤のなか、愛する妻、紫上を悲しませ、その上自分自身の立場まで窮地に追い込み、京からかけ離れた土地に向わなければならなかった、光源氏の背負った運命と、強欲が引き起こす無情を感じて作った曲。 |
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朧月夜 |
尺八,
guitar, piano, perc. |
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異母兄弟の帝が愛していた女性に、光源氏は横恋慕した。また朧月夜はその愛に応えてしまった。
堕ちていくこと(= 結果、須磨へ流された)は予想できただろうに、そういう状況でも恋愛関係になった二人の情熱、また祝福されないからこそ、盛り上がってしまう歪んだ感情を
D.Guitarで象徴した。反復されるギターのメロディが悲しい結末を迎える暗示をしている。 |
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紫上 |
guitar,
cello, 尺八, marimba, soprano, piano |
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光源氏と長年連れ添い最も愛された女性の一人。一番幸せだったという捉え方もあるが、光源氏が他の女性へ向ける愛情をずっと目の当たりにしており、底知れない悲しみを背負った女性でもある。
光源氏は紫上を理想の女性像に仕上げるため、幼少のころから自分の意のままに育て、のちに妻にした。がそんな光源氏を、亡くなるころには包みこめるくらいにまで、彼女の気持ちは達観していった。
次々と現れる女性に執心する光源氏の行動に嘆き悲しみ、また一方で温かく迎え、共に生きた女性。
いろんな出来事が彼女の中を走馬灯のように過ぎ去った歴史を風が吹いていったように6人の奏者で表現。 |
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| 休憩 |
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礼泉帝(光源氏の異母兄弟)がもっとも愛した娘。
将来を心配し、いろいろ複雑な想いがあったであろう光源氏に嫁がせた。 あまりにも帝に大事に育てられた無垢な御子であったため、光源氏の愛情が薄いことにも結婚当初は気付いていない。そんな彼女のまだあどけない頃を、やわらかいピアノで表現。 |
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女三ノ宮がその後、道ならぬ相手と恋愛関係になってからの精神的崩壊を音にした。
彼女は周りがもどかしいくらい恋愛に奥手だったが、人生で経験しなくてもいいことを背負ったため、誰にも気持ちを打ち明けず封印したなかで、道ならぬ相手を愛した。そして人一倍受けた傷が深かったため、悟りへの道も早かった。
一寸先が何も見えないめぐりめくる状況と、彼女の背負った数奇な運命の重さを劇的に表現。 |
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まだ光源氏が若かりし頃に愛した女性。美しく、何ごとにも無邪気で、子供まで授かった男性との間が上手くいかなくとも決して文句も言わず、嫉妬もせず、、、といった様子。主張のない彼女だからこそ、光源氏が犯した大罪の犠牲となり、呆気無く亡くなってしまったのかもしれない。
この曲は彼女が突然亡くなった前日に、光源氏と縁側で夕陽をみながら、緩やかな時の流れを楽しんでいた状況を浮かべ、彼女のあまりにも突然の辛い運命を悲しむ気持ちから、生まれた。 |
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玉鬘 |
guitar,
soprano, cello |
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夕顔の娘、瑠璃という。母親の突然の死が公表されなかったために、その後の人生が翻弄された。が、幸運にも都に帰れる機会が訪れ、光源氏が父親代わりとして大事に面倒をみることになった。ただ例に漏れず母親の面影を残す彼女に、光源氏は魅力を感じていたが、結局恋人関係にはならなかった。それがかえって、その後の彼女の人生を家庭だけで終わらない、精力的なものにした。ギターとチェロをともなったソプラノが淡くはかない旋律をうたう。
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六条院御息所の娘であり、のちに遺言を実行するべく、光源氏の推薦で女御にまでなる。
源氏は彼女の親代わりになり、六条院御息所への報いを果たそうとするが、そう彼にさせたものは罪滅ぼしの気持ちからだけなのか?彼女の顔を見ては、その母の面影を浮かべて懺悔している気持ちと、昔の出来事にうなされるような、重々しい回顧の曲となっている。 |
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紫炎(=
六条院御息所) |
marimba,
piano |
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前帝の未亡人で教養の深い女性だったが、光源氏の執拗な求愛に応じてしまう。が、その後光源氏の愛が冷めたことで、彼女の苦悩は始まる。それはのちに他の女性への怨念へと変わるとされているが、、、。
マリンバとピアノで、彼女の怨念がエスカレートしていく心理状態を表した。彼女は葵上をのろい殺してしまうほどの恐ろしさもあるが、それでもその心理状態に一番苦しんでいるのは彼女自身だったということをエピローグのピアノで表現した。 |
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光源氏と紫上に長い間仕えた女性。また小さいころから紫上に人一倍可愛がってもらうが、やはり光源氏からも愛されてしまう。紫上亡き後は光源氏をなぐさめながら生活し、最後まで断られたにも関わらず、出家した光源氏についていった。つまり光源氏を看取った女性ということになる。
取り上げた女性のなかでは異端で、彼女自身の感覚は奉公人であり、女主人である紫上を尊敬しているため、全てにフィルターがかかった状態の女性として捉えた。そういう意味で物語を紡ぐようなピアノ曲になった。
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藤壺 |
guitar,
cello, 尺八, marimba(perc.), soprano, piano |
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光源氏の父である桐壺帝の後年の妻であり、光源氏とは実の兄妹のように育った女性。
光源氏は生涯を通じ藤壺を深く愛していた。
人は時に残酷で、自分本位の行動で人を深く傷つけてしまい、大事なものを壊してしまう。
私には、光源氏の自分本位の欲望が、この女性への想いとして象徴されている気がしてならない。
歯車(ギア)がひとつ噛み合わなくなると、全てが崩壊してしまう。いろんな痛みを背負いながらも、美しさをとどめている女性は多い。光源氏を愛してしまったために、苦悩を抱えた彼女達がそれでも放っている魅力の炎に対し、敬意を表し曲を作った。藤壺は光源氏を愛し、まただからこそ彼を拒絶した。それがどれほどの精神力であったかを音に出来たらと思う。
そして光源氏にゆかりのある女性を音として綴ることで、時を超えて現代の女性に通じる感情として奏でることができれば、幸せである。 |
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